第6話「会話の7:3の法則」vol.2

前回:ちまたに溢れるモテる会話のテクニック。その中の一つ、会話の7:3の法則。しかしカノジョたちはそれを全否定。ネットを使い、指先ひとつでゲットできる恋愛テクニックに対抗せんとする、カノジョたちが語る驚きの会話術とは?

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 とある女子:「まずは寝ること。それも、できるだけたくさん」

 

 友人:「ん?果報は寝て待て、みたいなこと??」

 

  しっかり睡眠を取ったベスト状態時の能力を100%とすると、睡眠不足時、場合によってはその能力は30%程度にまで落ち込むという。

 

 「話す」には「相手の話を聞いて理解する」「自分の中でその情報を整理する」「言葉を組み立てて話す」という多様かつ複雑な作業が必要になる。

 

 個人差はあれど、わずか30%程度の能力でそれらをこなそうとするとどうなるか?

 

とある女子:「寝不足でアタマ回ってない状態だと、相手の話を理解するのに時間かかるし、そこから話すとなるとさらに時間がかかるわけだから会話のテンポは悪くなる。逆に会話のテンポについていこうとして相手の発言をロクに理解しないで見切り発車すると失言しかねない。。。」

  

友人:「会話のテンポも悪くて、失言までついてきたらサイアクだわ」

 

とある女子:「けどさ、多くない?そういうオトコ」

 

 少し前まで「成功者は睡眠時間が短い」という説が広く信じられていたが、時代とともに情報はアップデートされていく。

  

とある女子:「近くにいない?顔を合わせれば寝てないアピールしてくるオトコ。遅くまで仕事してて寝不足なオトコもいれば、飲み屋で会社の愚痴やら不満やらを毎晩飽きることなくぶちまけてるオトコもいるけど。。。

寝不足によるパフォーマンス低下で、日本が年間16兆円の経済損失出してることなんか、きっと知らないんだろうね。デキるオトコなら残業しないよう仕事を効率化させるし、愚痴や不満しかないならさっさと会社辞めろっつーの」

  

寝不足で回転が止まり、情報の上書きなど出来ないオトコたちのアタマの中では、未だナポレオンは毎日3時間しか寝なかったという化石のような説が生きているのかもしれない。

  

とある女子:「誰かの言葉で、快い眠りこそは自然が人間に与えてくれたやさしい懐かしい看護婦であるって名言があるんだけど・・・誰だったかな」

  

しばらく考えている様子だったが、思い出せず諦めたようだ。

  

とある女子:「とにかく、睡眠が凄く大事ってこと。でね、もう一つもっと大事なのがネット記事とそのコメント欄を読むこと」

 

多くのネット記事には、その記事(出来事)に対してあまたのコメントが書き込まれている。

 まずは記事を読み、そして自分の思いや考えを踏まえた上でコメント欄を読んでいく。自分と同じような思いを持つ者もいれば、自分と真逆の考え方の者もいるだろう。そして、自分では思いつかないような発想に出会うこともある。

 

 最初のうちは自分と同じようなコメントは好意的に、反するコメントには否定的な思いを抱きがちだが、それを繰り返すうちにいつしかわかってくること。

 

 それは「十人十色」であるということ。

  

この言葉、アタマで知識としてわかっている人は多くても、気持ち込みで理解できている人はなかなかいない。自分とは違う意見や考え方、価値観があることをきちんと知ること、理解することが大切なのだ。

そのためには、ネット記事とコメント欄を使って、日々「一人疑似会話」をしてみることが効果的なのだという。

 

ネット記事に対する自分の意見とコメント欄の意見を、自分のアタマの中で戦わせ、それを俯瞰する。

 

実際はネット記事とコメント欄を読んでいるだけなので、自分の意見と違っていたり、否定されていると感じても、直接誰かと会話をする場合に起こる「売り言葉に買い言葉」は回避できる。

 

 人それぞれいろんな意見があるということを最初は頭だけでしか理解できないとしても、日々の積み重ねによって、それらをカラダでココロで理解できるようになるのだ。

 

 

それはつまり、自分とは全く違う価値観を理解し、そして尊重することにつながっていく。

 

 とある女子:「自分の意見しか持てなくて、それ以外はすべて否定するような人がいるけど、そういう人の会話は会話じゃなくて壊話(かいわ)だから」

 

 

 カノジョ曰く、話を壊すと書いて「壊話(かいわ)」、初めて聞く言葉だった。

 

 

 さらに、会話というのは相手あってのものなのに、口を開けば自分のことばかり話している人。そして、口を開けば誰かの悪口や愚痴しか出てこない人。

 

 

 それは会話ではなく、虚しく貧しい独り言だ。

 

貧相な自慢話や醜い妬みごとをただただ相手にぶつけているだけの人には、それがわからないのだろう。

 

 とある女子:「自分の気持ちや考え方、価値観しか知らない人は会話とは名ばかりの壊話(かいわ)しかできないんだよ」

 

 

ほんの少しでも相手のことを思いやり、そして気遣えるなら、どうでもいい自己満な自慢話や、聞いた相手が不快な気持ちにしかならない誰かの悪口など聞きたくもないことはわかるはずなのだ。

 

 

とある女子:「会話に必要なのは・・・」

 

 

つづく

 

文・山田孝之 編集・@marony_1008

 

 

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