第18話「昔ワルかった自慢?デキるオトコのギャップとは」Vol.2

とある女子:「よく、オンとオフって言うじゃん?オンが仕事でオフがプライベートだと思ってるオトコがほとんどだろうけど、そのオンとオフをきっちり使い分けてるオトコほど、実は『デキないオトコ』だから」

友人:「えっ?それってデキるオトコの条件なんじゃないの??」

 

カレ自身もオンとオフは仕事とプライベートであり、それをうまく使い分けることが「デキるオトコ」だと思っていた。

 

とある女子:「しかも、使い分けの典型例『プライベートはだらしない俺』とかって自分で言っちゃうようなオトコは完全に終わってる」

 

例えば、仕事のメールや電話、LINEには即レスするのに、プライベートになった途端、レスが遅くなるどころかレスが来ないオトコは少なくない。

同じ人間でここまで真逆の対応が出来てしまう理由はいたってシンプル。

アタマの中は損得だけ、清々しいまでに自分本位だからだ。

 

仕事という「オンの場」での評価は、会社での出世や給料など、自身の生活に直結する。しかし、プライベートという「オフの場」において友達などと接する場合、何かミスをしても許してもらえるだろうという甘えがある。約束に対し、遅刻やドタキャンをしたとしても適当な言い訳で逃れようとするし、それが難しい時は仕事のせいにして誤魔化せると思っている。

 

つまり、オンでもオフでも常に自分本位で身勝手、そして人や状況によって対応を変える。自分より立場が上の人やメリットが大きい人などに対しては丁寧で、そうでない相手に対しては適当に。

そんなオトコたちにとってのオンとオフは、どんな自分も正当化できる都合のいい魔法のようなもの。実際はそこに悪魔のココロが巣くっているのに、それに気づかぬまま、どんどんココロは蝕まれていく。

 

とある女子:「ま、恥ずかしげもなく、そういうセコい計算できるヤツほど会社では出世するし、出世すれば自分はデキるオトコって勘違いもするよね。しかもそれが一流企業勤務とか社会的地位の高い職業のオトコならなおさらだよ」

 

デキるオトコをアピールするためのオンとオフが、結果的には自分に「表の顔」と「裏の顔」があるということを大々的に公表し、自分の人間性を著しく毀損しているのだとしたら、そのオトコがやっていることには一体どんな意味と価値があるのだろう。

 

自分は人に誇れるようなスペックなど持ち合わせていないが、例えば宝くじで大金を手にしたり、何かのアクシデントで有名人になったとしたら、などと想像してみる。そんなハリボテのスペックだとしても、それによって人が寄ってきたりチヤホヤされたりしたら、自分も自分に酔ってしまうようなことが起こるのだろうか。

 

とある女子:「ま、自分のスペックに酔いしれちゃうナルシストだとしても、それこそ一流企業勤務とか社会的地位の高い職業っていうだけで食いつくオンナは多いから、オトコも勘違いし続けるよね。で、気づけばあっという間に上から目線で偉そうなイタいクソジジイの完成」

友人:「そうやって考えると、オトコもオンナもなんか残念だね」

とある女子:「高いスペックって、コネとか一部の例外的な人を除けば自分が努力して掴み取ったものだから素直にスゴいのに、そのスペックの使い方というか、魅せ方を間違ってるオトコが多いのがホントに残念」

 

いつしか二人の間にはどんよりとした諦観という名の層積雲が漂うが、その切れ間から、友人が微かな光を差し込む。

友人:「そういえば、さっきオンとオフをきっちり使い分けてるオトコは要注意って言ってたけど、そうじゃないオトコって?」

とある女子:「オンとオフの考え方が根本的に違うオトコ、かな」

友人:「どういうこと?」

とある女子:「ホントにデキるオトコって、基本全部がオンなんだよ」

友人:「オフの状態がないってこと?」

とある女子:「あるよ」

友人:「いつ?」

とある女子:「オンとオフの本来の意味を考えればわかるんじゃない?」

友人:「オンとオフの本来の意味??」

 

デキるオトコ・・・オトコにとってやはり、その響きは魅惑的だ。

カレはアタマで考えるより先に指を動かし、ネット検索していた。

「オンとオフは、電気や機械などのスイッチが入ったり切れたりすること」

検索画面を見ながらカレは頭を抱える・・・全くわからない。

 

とある女子:「デキるオトコにとってのオフは・・・」

 

Vol.3へつづく

 

文・山田孝之  編集・@marony_1008

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