第4話 「飲み会に遅れてくる男」vol.2

前回:わざと遅刻することがモテテクだと信じて疑わないオトコたちは確かに存在する。そして、そこにあるのはただひたすら自分がモテたいという身勝手極まりない理由。ヒーロー気取り、モテ男気取りの勘違い遅刻オトコたちに対し、カノジョたちが提唱する対処法とは?

 

 飲み会に遅れてくる男 Vol.2

 

友人:「だけどさ、女子側としては、例えば合コンとかで集合時間より早く行くのってハズくない?なんかガッついてるみたいで」

とある女子:「そこ、凄く大事なとこ」

 

カノジョ曰く、合コンで女子が集合時間より早く来ていた場合、オトコには二つのタイプがあるという。

「このオンナ、ガッついてんな」 と思うオトコ。

そして「このコ、礼儀正しいコだな」と思うオトコ。

 

とある女子:「あんたならどっちのオトコ選ぶ?」

 

約束の時間通り、あるいは時間より早く来ている女子に対して「ガッついてる」などと思うオトコの人間性なんて、所詮その程度である。

むろん、相手の気を惹くためにわざと遅れてやってくる女子というのもたかが知れている。

 

とある女子:「結局、類友なんだよ」

相手の迷惑や不都合などは端から頭になく、私利私欲のためだけに時間に遅れるような人間性であるにもかかわらず、自分にいいオトコが寄ってこないとか、いいオンナが寄ってこないとか不満ばかり・・・それは結局自分のせいであり、自分が招いている結果なのだ。

 

とある女子:「だから、わざと遅れてやってくるオトコとか見かけるとラッキーって思っちゃう。だって、その時点でカレシ候補リストから即消去できるから」

 

遅れてきて許されるのは、ホンモノのヒーローだけだ。

ウルトラマンとか仮面ライダーとか、アイアンマンとかスパイダーマンとか。

ヒーローは遅刻を軽々とリカバリーできるだけの活躍をし、名前も言わず去っていく。

 

とある女子:「ま、こんなメンドくさいこと言ってるから全然私に春がやってこないんだけどね・・・にして遅れすぎじゃない??」

友人:「大丈夫。ホンモノのヒーローは遅れてやってくるから」

 

店員:「大変お待たせ致しました」

カレの目の前にコーヒーが置かれた。

少し遅れてやってきたそのコーヒーをカレはゆっくりと口にする。

その苦みはカノジョたちの言葉とともに、カレのココロにゆっくりと沁みた。

 

いつか自分も誰かのヒーローになれるのだろうか。

 カレはそのコーヒーにミルクと砂糖を入れて再び口に運ぶ。

苦みの強いブラックコーヒーのようなカノジョたちの言葉の数々を飲み干すにはまだまだ自分は未熟だけど、、、

いつか飲み干せる日が来ることをカレはさっきまでブラックだった甘いコーヒーと、今日の夕日に誓うのだった。

 

つづく

 

文・山田孝之 編集・白瀧一洋

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